ラグビーを象徴するプレーのひとつに「スクラム」があります。
しかしラグビーの試合を見ていると、スクラムを組んでいるときに「なんの反則が起こったの?」「掛け声はなんて言っているの?」と気になったことはありませんか?
初心者くん
そこでこの記事ではスクラムについて詳しく解説していきます。
この記事でわかること
- スクラムとは
- スクラムの人数とポジションについて
- スクラムの掛け声
- スクラム中に起こる反則
スクラムはラグビーの試合中によく起こるプレーなので、ぜひルールを覚えておきましょう。
りっち
目次
ラグビーのスクラムは軽い反則の後に行う

出典:https://pixabay.com/photos/rugby-scrum-heineken-cup-saracens-4498375/
スクラムとは、試合を再開する方法(セットプレー)のひとつです。試合中に軽い反則(ノックオン、スローフォワードなど)が起こった際の再開方法としてスクラムを組みます。
スクラムの目的は、軽度の反則や競技の中断があった後に、ボール獲得のための争奪でプレーを再開することである。
引用元:https://laws.worldrugby.org/?law=19&language=JAr
ここからは、どんな場面でスクラムを組むのかを、詳しく紹介していきます。
スクラムを組むのは反則が起こった後
基本的には軽い反則が起こった後に組見ますが、以下のような場合もスクラムを組みます。
- 密集状態(モールやラック)からボールが出ない場合
- 重い反則(ペナルティ)の際にスクラムを選択
- 怪我により試合が中断した際の再開時
この他にも、制限時間内にペナルティキックやフリーキックが行われなかった場合もスクラムで再開します。
「スクラムゾーン」でしかスクラムは組めない

出典:https://laws.worldrugby.org/?law=1&language=JA
また、スクラムは「スクラムゾーン(上の画像の緑の部分)」でのみ組みます。スクラムゾーン以外で反則があった場合は、最も近いスクラムゾーンに移動して組みます。
ラグビーのスクラムは1チーム8人で組む

出典:https://laws.worldrugby.org/?law=19&language=JA
スクラムはFW(フォワード)と呼ばれるポジションの8人で組みます。
1列目をフロントロー(3人)、2列目をセカンドロー(2人)、3列目をバックロー(3人)と呼び、各チーム8人が押し合うのがスクラムです。
各ポジションの詳しい役割についてこちらの記事をご覧ください
フロントロー(3人)
最前列で相手のフォワードと直接組み合うのがフロントローです。
フロントローの構成は、左プロップ(1番)・フッカー(2番)・右プロップ(3番)の3人で、基本的にチームで最も体重のある人が任せられます。
パワーだけでなく、相手よりもいい位置でスクラムを組むためのスキルや体幹も求めらるポジションです。
セカンドロー(2人)
フォワードの2列目をセカンドローと呼びます。
セカンドローの構成は、左ロック(4番)・右ロック(5番)です。
基本的に、高身長の人が任せられるポジションで、スクラムではフロントローの後ろから押し込む役割をしています。
バックロー(3人)
フォワードの3列目をバックローと呼びます。
バックローの構成は、左フランカー(6番)・ナンバーエイト(8番)・右フランカー(7番)の3人です。
スクラムでは、後方からフロントローとセカンドローを押し込むサポート的な役目をしています。
3段階の掛け声に合わせてスクラムを組む
スクラムを組む際は、レフリーの3段階の掛け声に合わせて組みます。
スクラムでは「1コール1アクション」と言って、レフェリーの掛け声に合わせてそれぞれのアクションを行います。
組むのが早かったり、ルール通りのアクションを行わなければ反則を取られる場合もあります。
一昔前は4段階だった
現在のスクラムは3段階ですが、この掛け声は何度か変更がされています。
4段階の掛け声
- クラウチ:低い姿勢になる
- タッチ:相手の方に触れる
- ポーズ:姿勢を保ったまま止まる
- エンゲージ:相手と組む
2011年ごろまでは上記の4段階の掛け声が採用されていました。
しかし「姿勢を保ったまま止まる」というのが負担になるという意見や、時間を短縮する目的で廃止されました。
また、タッチからバインドに変わったことで、選手同士の距離が近づき安全面も強化されています。
スクラム中に起こるラグビーの反則
初心者からすると、スクラム時に起こる反則はごちゃごちゃしてわかりにくいと思います。
ここではスクラム時に起こる反則について紹介していきます。
アーリーエンゲージ
レフリーのコールに合わせてスクラムを組まなかったり、ボール投入前にスクラムを押す反則です。
相手ボールのフリーキックで再開します。
コラプシング
故意にスクラムを崩す反則です。
相手ボールのペナルティで再開します。

スクラムホイール
スクラムを90度回してしまう反則です。
相手ボールのペナルティで再開します。
ニーリング
故意にひざをつく反則です。
相手ボールのペナルティで再開します。
ノーバインド
スクラムが終了する前にバインド(肩)を外してしまう反則です。
相手ボールのペナルティで再開します。
まとめ:ラグビーのスクラムはややこしいが、よく起こるのでしっかり覚えよう
- スクラムとは「試合を再開するセットプレー」のひとつ
- 軽い反則が起こったり密集地帯から出ない場合、重い反則時にスクラムを選択することで組むことになる
- スクラムはスクラムゾーンでのみ組むことができる
- スクラムはフロントロー、セカンドロー、バックローの各チーム8人で組む
- レフリーコールは「クラウチ、バインド、セット」
- スクラムの原則は「まっすぐ地面と平行に押す」こと
スクラムはラグビーにおいて代表的なプレーであり、試合の結果を左右するほど重要なプレーです。
スクラムを知ることでさらにラグビーを楽しく見ることができるので、ぜひ注目してみてくださいね!
